日本にいながら英語を話せるようになる方法
2024.09.17
日本にいながら英語を話せるようになる方法
~挫折しない英会話上達法~
英語での会話に上達したかったら、実際に英語を聞き、話す練習を積む以外に上達の道はありません。
しかし、練習するといっても、どのようにしたら効果が上がるのでしょうか。
英会話は独学でもできるようになるのでしょうか。英会話教室に通えばだれでもしゃべれるようになるのでしょうか。
この記事では、留学せずに英語が話せるようになる学習法を具体的にご紹介します。
Contents:
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相手の言っていることを理解するリスニング上達法
会話するにはまず、相手が話していることを理解できることが必要ですね。
それは、リスニング力を高めるということです。
ただし、リスニングにはふたつの側面があります。
それは、音を聞くことと話を聞くことです。
英語の音さえ聞き取れれば、相手の言っていることがわかると思っている人が多いかもしれません。
もちろん、音が聞き取れなければ話は理解できません。
しかし、音が聞き取れても話が理解できない人も多いのも事実です。
ですから、音が聞き取れた上で話の内容が理解できるようになる必要があります。
ここでは、音が聞き取れるようになる学習法と、話が理解できるようになる学習法をそれぞれご紹介しましょう。
英語の音とリズムが聞き取れるようになる方法
できるだけ頻繁に英語を聞こう
英語には、日本語にある音もあれば、無い音もあります。
まずは英語の音に慣れなければいけません。
現代は、その気になれば無料でいくらでも英語が聞ける時代です。
BBCやブリティッシュ・カウンシルなど、信頼できる期間も無料で教材を公開しています。これを活用しないという手はありません。
可能なときはいつも英語を聞いているようにしましょう。集中して聞くのと無意識で聞くのと両方やってみるのがおすすめです。
移動時間や掃除の時間などに英語を聞き流したり、ほかのことをしないで意識的に耳を傾けたり、いろいろな聞き方でやってみてください。
英語圏で暮らす人が英語を話せるようになる理由は、四六時中英語に触れ、実際に英語を使っているからにほかなりません。
日本にいても、それと近い環境を自分で作りだせばいいのです。まずは毎日英語に触れることを習慣とし、可能ならその時間を伸ばしていきましょう。
そういわれても、何を聞いたらいいか迷ってしまう人もいるでしょう。
ひとくちに英語といっても、イギリス、アメリカ、オーストラリアなど、地域によって発音が多少異なります。先ほど挙げたBBCやブリティッシュ・カウンシルはイギリス英語です。
お手本にするには、その国のアナウンサーが読んでいるニュースもおすすめです。
スピードは速めですが、発音がクリアーです。
ただ、初心者には難しいかもしれません。Youtubeなどでネイティブ講師のレッスンがあるので、初めのうちはそれを聞くのもいいでしょう。
イングリッシュビレッジでは、自習のためならネイティブ講師とのレッスンを録音することもできます。家でお気に入りの先生が話しているのを聞けば、モチベーションも上がるというものです。次のレッスンで言ってみて、良くできているかどうか先生に確認してもらうことも可能です。
初歩から徐々にステップアップしていきましょう。
聞くだけではなく、可能なときはリピートしたり、お手本に重ねて言ってみたりするのも効果的です。重ねるときは、あくまでもお手本の声が聞こえるように小さめの声で練習することです。自分の声でお手本がかき消されてしまうようでは効果がありません。お手本を聞きながらついていくのがコツです。
この練習はリスニング力を向上させるためでもあり、スピーキングの練習にもなります。
音声変化がわからなければ英語は聞き取れない
「私は耳が悪いからリスニングが苦手だ」
そんなふうに考えている人もいるようです。
多くの場合、それは耳のせいではなく、音声変化のせいです。
知っている英単語ばかりなのに、フレーズになるとわからないという悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
英語は単語を個々に発音するときと、複数の単語が繋がったときでは発音が変わります。
前後にどんな音が来るかによって、読み方が変わる文字もあります。
ですから、書いたある通りに聞こえなかったとしても、それは耳が悪いからではありません。
書いてある通りには発音していないからです。
このように、前後の音や単語の影響で発音が変わることを、音声変化と呼んでいます。
音声変化にはパターンがあり、5つに分類されていることが多いようです。
1 「連結」は、前の単語の最後と後の単語の最初の音が繋がること
例)an apple
繋げて書くとanappleとなり、anaは「アナ」のように発音されます。
2 「同化」は前の単語の最後と後の単語の最初の音が影響し合って違う音に変化すること
例)don’t you はtとyが影響し合って「ドンチュー」と発音されます。
3 「ラ行化」はtやdの音がもっと柔らかいラ行音に近くなること
例)waterが「ワラ」のように聞こえることがあります。
4 「脱落」は子音が消えたり聞こえにくくなること
例)Oh my god!が「オーマイガー」のように聞こえ、最後のdが聞こえないことがあります。
5 「弱形」は代名詞、助動詞、前置詞、be動詞などが弱く短く発音されること
例)ourが「アワ」ではなく「ア」のように聞こえることも多いです。
音声変化の名前やパターンは、特に覚える必要はありません。気にしないでも聞き取れる人はそれでいいのです。
しかし、リスニングに苦手意識がある人は、参考にしてみると悩みが解決するかもしれません。
どうしてもひとりで難しければ、先生やコーチの助けを借りるのもお勧めです。
英語の話を理解するには
繋ぎの言葉に注意する
英語の音は聞き取ることができるのに、話の流れを追うことが苦手な人もいます。
聞こえるフレーズの意味はわかるが、話全体はなぜかわからないというケースもあるようです。そうすると、相手が一番言いたいことが何なのかつかめなくなってしまいます。
母語を聞いても同じ傾向があるなら、接続詞などの繋ぎの言葉に気を付けるのがお勧めです。
「しかし」「だから」「つまり」などの接続詞は、話がどこへ行くかを示す道路標識のようなものです。接続詞に注意することによって、文脈や繋がりが見えやすくなります。
接続詞だけではなく、話すときによく使う表現も覚えるようにしましょう。
たとえばin the other words, 「つまり」、「別の言い方をすると」と聞こえたら、耳をピンと立てましょう。自分にとって分かりやすい表現で要点を話してくれるかもしれません。
また、I see your point. は「わかります」ですが、
I see your point, but…といったら、「おっしゃりたいことは分かりますが…」となり、やんわり反論を言い出すときの決まり文句です。
話に割って入る時のSorry to interrupt, but….「お話の途中ですが…」やWould you please let me finish.「最後まで話していいですか?」などの表現もあります。
聞き取れない箇所で止まらない
日本語では話の要点を把握することができるのに、英語ではなぜかそれができないという人もいるかもしれません。
聞き取れない箇所でパニックになったり、そこで止まったりしてしまうと、話の全容はつかめなくなります。
聞き取れないところに集中するのではなく、聞き取れるところを大切にしましょう。
多くの場合、前後の繋がりで理解できるものです。
学習が進めば聞き取れないところは減っていきますが、完全にはなくならないかもしれません。だからこそ、現在の英語力で聞き取れるところから理解するという習慣をつけておきましょう。
先を聞けばわかるかもしれないという気持ちで、あきらめずに話の流れについていくことです。これは、TOEICやTOEFL、IELTSなど英語の検定試験でも役に立つ聞き方です。
自分が言いたいことを英語で伝えるための学習法
リスニングと同じようにスピーキングでも、音として伝わる英語と内容が伝わる英語を心がける必要があります。
伝わる発音とイントネーションを身に着ける方法
英語と日本語の発音の違い
発音が良くなるためには、ネイティブの発音をひたすら真似するのが一番です。ただ、真似しているつもりでもうまくいかないという方も多いでしょう。
いずれにしても、英語の発音をすべてマスターするのは時間がかかります。
しかし、比較的速くカタカナ英語を脱却する方法もあります。
それは、英語で母音がないところに、やたらと母音を入れるのを止めることです。
英語と日本語の発音の大きな違いのひとつは、日本語では子音の後に母音が入っていることが多いのに対して、英語は子音で終わる場合が非常に多いということです。
これは、アメリカ英語だろうがイギリス英語だろうが他のどんな英語だろうが、変わりません。
たとえば、サラダという単語。
「サラダ」はポルトガル語由来だという説があります。そうではないとしても英語ではありません。
英語はsaladです。「サラダ」でないのはもちろん、「サラド」でも「サラドゥ」でもありません。
語末のdの後には母音がありません。子音で終わっています。
ネイティブが発音するのを聞くと、ほとんど「サラッ」のように聞こえます。
日本語は子音で終わることが少ないため、耳が慣れていないと最後のdが聞こえないかもしれません。または、前に述べた音声変化のために、実際ほとんど発音されない場合もあります。
ただし、何もないわけではなく、子音があるところに小さな沈黙があるはずです。
そして、日本人は「小さな沈黙」は得意なはずです。
促音(小さい「ツ」)で慣れているはずではないでしょうか。
もうひとつ例を出しましょう。
addressという単語です。
日本語だと「アドレス」と4音節になるかもしれませんが、英語ではadd-ressと2音節です。
やはりddの後とssの後に母音はありません。
実は日本語でも子音で終わっている例はありますが、普段あまり意識していない人が多いことでしょう。
「~です」「~ます」と言うとき、sの音で終わる場合がほとんどで、普通suとは発音しません。
普段は意識しないものですが、英語でも日本語でも、ときどき自分や他人の発音に耳を澄ましてみると、新たな発見があるものです。
発音はフレーズで練習する
リスニングのところで音声変化について書きましたが、スピーキングにも同じことが言えます。同じ単語でも、ひとつひとつバラバラのときと、フレーズの中にある時では、音が変わります。
ですから、自分が発音するときも、フレーズごとネイティブの発音を真似することです。ネイティブが音声変化をする箇所は、自分も積極的に音声変化をしましょう。
フレーズごと練習するメリットは、音声変化だけではありません。
日本語のイントネーションは比較的平坦です。
英語のイントネーションはそれと比べると、大きく上下します。
イントネーションも、歌を覚えるつもりで真似してみましょう。
イントネーションが自然だと、個々の発音に多少難があってもすんなり耳に入るものです。
もちろん同じ文でも、疑問や断定、驚きや不満など、その時の感情やニュアンスによってイントネーションはいろいろです。
感情ごと真似して練習すると、いざという時に、そのフレーズが口をついて出てくるようになります。
英語で話の内容が伝わるようになるには
日本語から英語に訳しても伝わらない
初心者が犯しがちな間違いとは、まず日本語で内容を考えて、それを英語に訳そうとすることです。
和英辞典で単語を調べ、文法的に正しい構文で並べたとしても、言いたいことが伝わるとはかぎりません。
たとえば、日本語では「趣味は何ですか」と聞くことがあります。しかし、これを直訳して
What is your hobby?
と言った場合、相手が戸惑って聞き返すことがあります。
自然な英語では、そのような聞き方はしないからです。
趣味を聞くとしたら、
What do you do in your free time?
(時間があるとき何をしますか)
などと言うのが普通です。
そのシチュエーションでは英語でどう言うのが自然なのか
使える英語を身に着けるには、そのシチュエーションで通常どう言うのかを知るのが不可欠です。
初心者こそ、日本語から英語に訳そうとするより、自然な英語を大量にインプットする必要があります。
話すということはアウトプットです。しかし、そのためにはアウトプットできる内容を自分の中にため込むことも必要です。
話すときは、ため込んだフレーズを必要に応じて引き出し、そのまま、あるいはアレンジしてアウトプットすればいいのです。
インプットに関していえば、ナチュラルな英語を無料、あるいは安く仕入れる方法はいくらでもあります。先生やコーチがいる人は、自分のレベルに合った自習方法を紹介してもらうのもいいでしょう。
高価な教材しか紹介してくれないスクールやコーチだったら、ちょっと怪しいと思っていいかもしれません!
BBC Learning English, British Council, Voice of Americaなど、無料で信頼できる英語学習サイトを利用したり、わずかな費用で海外ドラマや映画を活用したりすることができます。
英語学習のためにドラマや映画を選ぶ際には、自分がどんな英語を身に着けたいかを考えて選びましょう。
ビジネス英語ならオフィスを舞台としたもの、学校での会話なら学園もの、家族の会話を学びたいならホームドラマなど。
また、自分が興味をもてるものを見ることも大切です。見るのがうんざりするような内容だったら続くはずはありません。次回が楽しみになるようなものであれば、勉強も進むでしょう。
文字だけではなくドラマや映画を使えば、どんなシチュエーションでどんなフレーズを使ったらいいのかよくわかり、実践的な自習となります。
スピーキングは直してくれる人が必要
インプットだけでは話せるようになりません。話せるようになるためには、実際に英語を使うことが不可欠です。
そして、誰かに直してもらうことが重要なわけですが、誰に直してもらうかも考えなければなりません。
正しく、しかも自然な英語が話せるようになりたいなら、英語圏のネイティブかそれと同等の人に直してもらう必要があるでしょう。
さらに、ネイティブや英語圏に長年住んだ人の中にも、直したり教えたりするのが得意な人とそうではない人がいます。
親しい友達であっても、間違えたときに必ず直してくれるとはかぎりません。
国際結婚をしている夫婦でさえ、お互い言葉は教え合わないという人が多いです。
(夫婦円満の秘訣でしょうか?)
英語には独学できる部分も多いですが、スピーキングに関していえば、良い先生がいた方が間違いありません。
自然な英語で何を話すか
流暢に話せるようになるのはとても大切なことですが、話の内容も同じくらい大切ですね。
コミュニケーションの齟齬が生じないようにするには、相手の文化についてもある程度知っておくことが必要でしょう。
そのためにも、ドラマや映画は役立ちます。
また、英語圏のニュースを聞いたり、記事を読んだりするのもいいでしょう。
それはまだ敷居が高いという人には、ネイティブが英語学習者用にリライトした短い記事がおすすめ。
Breaking News EnglishやNews in Levelsなど無料で利用できるサイトもあるので、参考にしてみてください。
ニュースを聞いたり記事を読んだりすれば、今話題になっていることを英語でどう表現するのかもわかります。それを元に先生とディスカッションすれば、英語で意見を言う練習になります。
イングリッシュビレッジではレッスンのカスタマイズが可能です。自分が選んだテーマで先生と話せば、「使える」だけではなく、「使いたい英語」を学ぶことができます。
結局のところ、自分が一生使う機会もないフレーズを完璧に身に着けたところで意味はありません。
テキストに沿った学習だけを続けていると、たとえ先生がネイティブでも、なかなか実践的にならないものです。
なぜなら、実際の会話というのはほとんどがインプロビゼーションだからです。その場で聞こえてくる英語に対して、その場で反応しなければなりません。
教科書を使うメリットもありますから、時間の半分は教科書、半分はフリートークなど工夫するといいでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。
英語を話すためには、発音、語彙、文法、内容と多くの要素が絡んできます。
良い表現をインプットするのは独学でも可能ですが、アウトプットのためには、教えたり直したりしてくれる人がいないと難しいでしょう。
日本にいながらにして英語が話せるようになった人は少なくありません。
毎日英語をインプット、アウトプットして実際に使うのを習慣にすれば、それは十分可能なのです。